2006年 12月 1日
平成18年11月15日(水)、長野県印刷工業組合役員、ジャグラ長野県支部役員は、長野県庁を訪問して、競争入札、公開見積における最低制限価格制度の導入等6項目にわたる村井知事宛の「印刷物発注に関する要望書」を手渡し、印刷業界の現状を説明するとともに県内中小印刷業の育成、雇用の確保拡大の観点から取引慣行の改善を要望した。
日 時 平成18年11月15日(水) 9時
場 所 長野県庁2階会議室
出席者
県工組:田中理事長他3名
ジャグラ長野県支部:伊藤支部長他1名
納入業者:代表1名
県 側:総務部管財課長他3名
オブザーバー:石田県議会議員(当工組顧問)
要望項目
1.競争入札、公開見積における最低制限価格制度の導入について
2.県内に本社を有する印刷業者への優先発注について
3.庁内印刷物内製化の自粛について
4.広報「ながのけん」(新聞媒体)から広報誌「ながのけん」への変更について
5.成果物及び中間生成物等に関わる知的財産権、所有権の保護について
6.印刷物の分離発注契約制度について
今回の要望書の提出は、石田治一郎県議会議員(当工組顧問)の取り計らいで実現したもので、要望書の作成にあたっては、ジャグラ役員、県庁納入業者担当者との懇談会等を通じて意見、要望を集約した。
主な内容
○競争入札、公開見積における最低制限価格制度の導入について、際限のない価格競争の歯止め策として「最低制限価格制度」の導入を求めたのに対して、県側は、「一般競争入札につては制度上導入が可能ではあるが、印刷は建設工事と違って、『手抜き工事』というイメージがあまり無い。最低価格制度は、あくまでも品質管理と、契約の適正な履行を目的にした手段であり、他の公共事業と比べて導入が難しい」と説明。北海道庁、香川県庁、佐賀県庁等の導入事例を説明し、理解を求めたところ、「過当競争の排除と品質管理の維持、契約不履行を防ぐにはどの様な制度導入が適切であるかを検討した上で、制度構築を行いたい」との回答を得た。又、最低制限価格制度の代案として「二番札制度」の導入を打診したが、「馴染みのない制度であり、何を根拠に導入する必要があるのか、事務的説明が明確に出来ない」と難色を示した。
○庁内印刷物内製化の自粛については、職員の人件費、設備の負担を考慮すると、印刷物によっては割高になっており、アウトソーシングによる自治体経営効率化と地元業者の育成の観点から内製化の自粛を訴えた。又、庁内印刷設備に付帯するカウンター料金に触れ、数量の多い印刷物によっては、印刷会社に発注した場合と比べて割高なカウンター料金が発生している点を指摘。どの位のロット数までが内製化に適しているのか、採算ラインを明確化して"線引き発注"を徹底するよう求めた。
○広報「ながのけん」(新聞媒体)の問題については、情報量の欠如と未購読世帯への配慮等問題点を指摘し、県民益確保の観点から広報誌としての発行形態変更を求めた。
又、石田県議から「県議会報告」の発行についてふれ、広報誌「ながのけん」の増刊号として復活を検討している旨発言を頂き、県側の理解を求めた。
今回の管財課との話し合いでは、具体的な回答を得るに至らなかったが、今後も意見交換を行い、官公需問題の解決に取り組んでいくことが確認された。